取材コラム 第2回:木村忠明氏

kimura

「現代医学が病気から守ってくれるという勘違い」
ヘルスビジネスマガジン社主幹 木村忠明氏に聞く

現代医学は遺伝子を把握し、もしかしたら今後、がんも難病も治せるようになるかもしれない。それなら自分の健康を守らなくても、病気になってから医療に頼ればよい、ということになるだろうか?病気になってから健康を取り戻すのはそう簡単なことではない。人間の本当の智慧は、予防にこそ活かされるべきなのだ。そう力説する健康産業界の論者、木村忠明氏にお話を伺った。


「がんをはじめ生活習慣病は、今の医学では治せないし、今後も治そうという方向には行きませんよ。つまり、自律的な予防しかない」と木村氏は言う。

がんや認知症、アレルギーを含めた“生活習慣病”に対して、現代医学はうまく機能しない。また、検査数値は全く正常なのに不調や辛さを訴える患者に対して、ほとんど打つ手を持たない。

「近代医学は感染症に打ち勝ったという実績を誇っていますが、実際のところ、感染症がなくなったのは飢えがなくなって人々の栄養状態が改善されたからなんですよ。つまり、食べ物のおかげなんです」

「ところが、食べ物に困らない豊かな世の中になったら、皆が健康になるはずだったのに、なんと豊かな先進諸国では、人々が心臓病やがんでバタバタと死ぬようになった。これはおかしいじゃないかと言い出したのが、ジョージ・マクガバンで、7年間の調査研究を経て、“飽食”が生活習慣病を生み出しているということを報告したわけです」

それが1977年に報告された「アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書」、いわゆる“マクガバンレポート”である。このレポートにはこう書かれているーー「がん、心臓病、脳卒中などの生活習慣病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした〝食源病”であり、薬では治らない」と。

「これ以降、アメリカでは医学の教育に栄養学を組み込むようになったのですが、わが国ではいまだにほとんどの医者は栄養学の知識がない。薬じゃ治らないんだから、結局、治せないんですよ」

このレポートを機に、アメリカでは食生活が見直され、サプリメントを法的に整備し、予防を重視するようになった。それにより生活習慣病の死者数は大幅に減少し、医療費も削減できたわけだが、ここで木村氏が強調するのは、良識ある健康産業と、国民への教育の重要性だ。

「アメリカでは1984年に食生活指針が策定されて、これをケロッグがシリアル食品のパッケージに表示したことで、食物繊維ががんを予防することを消費者に伝える役目を果たしたわけです。商品パッケージは健康情報を伝える良き媒体なんです」

さて、私たちは自律的な疾病予防のために、身の回りの健康情報をいかに判読していくか、という役割がある。

ジャーナリスト 後藤典子

 木村氏の取材動画はこちら

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