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- ナイアシン(ニコチン酸)とは
ナイアシン(ニコチン酸)
- 糖質・脂質の代謝に作用し、悪玉コレステロールも減らす
なぜ体にいいのか
ナイアシンとはニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称で、生体中にもっとも多く存在するビタミンである。カツオやサバ、マグロなどの魚肉のほか、鶏肉、レバー、緑黄色野菜、豆類、小麦胚芽や米ぬか、その他の穀物などに比較的広く含まれる。
ナイアシンの働きのひとつは、体内で重要な役目をもつ酸化還元酵素の補酵素の構成成分として、糖質や脂質の代謝を促すことだ。体内で必要なエネルギーのうち、60~70%はナイアシンから作られるエネルギーに頼っているといわれている。このため、血行が改善され、脳神経の働きを強めたり、心筋梗塞の再発を防ぐなどの効果がある。
また、ナイアシンのサプリメントには、喘息患者の喘鳴(呼吸のたびに出るゼイゼイ音)を起こりにくくする効果があるが、これは体内のさまざまな場所に炎症を引き起こすヒスタミンを減少させるためと考えられている。さらに、正確な仕組みはまだ明らかになっていないが、ナイアシンは、肝臓がコレステロールを作る能力を低下させるともいわれている。
ここに注意
正しく用いれば悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があるとされるナイアシンだが、専門家のチェック無しに無分別に用いると危険だ。
コレステロール濃度の改善が期待できるほど多量のサプリメントを摂れば、神経過敏、頭痛、腸けいれん、悪心、下痢などの副作用が現れる。また30mgほどの摂取で顔が紅潮してかゆくなるフラッシングが起こる。ただしこの症状はニコチン酸に多く、ニコチン酸アミドには見られない。
摂取方法について
先に挙げたように、ナイアシンは広く食品に含まれる成分であるため、日常の食生活から適度な量を摂ることができる。1日の所要量は日本人の成人男性では14~17mg、女性は12~13mgとされており、通常の食事で摂りすぎてしまうことはまずない。またアミノ酸の一種であるトリプトファンからもナイアシンが合成される。トリプトファンは良質なタンパク質に多く含まれているので、良質タンパクを摂ることでナイアシンは補える。(五十嵐)