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- よく酒を飲むとは
よく酒を飲む
メカニズム
アルコールは胃や腸で吸収されて肝臓に送られる。肝臓は酵素の働きでアルコールをアセトアルデヒドに、さらに酢酸に分解。最終的には炭酸ガスと水にして体外に排出する。ところが酒を飲みすぎると、この分解作業が間に合わなくなり、アセトアルデヒドが全身にまわってしまう。これが酔いの原因で、アルコールの量が多ければ二日酔いとなる。このアセトアルデヒドは毒性で、発ガン作用があり、動脈硬化や肝臓病、心臓病なども促進する。アルコール依存症を強める働きもある。肝臓の分解能力を著しく上回る量を急激に飲むと、急性アルコール中毒になり、生命に関わる場合もあるので注意が必要だ。アルコールによる肝障害の代表格といえば、肝硬変だろう。過度のアルコール摂取を続けると脂肪肝になる確率が高まり、やがてそれが肝硬変に移行する。初期には自覚症状がほとんどなく、食欲がない、体がだるいといった不調を感じる程度。ところがある程度進行してくると、手掌紅斑(しゅしょうこうはん)や、胸の上部などに赤い斑点が出る「クモ状血管腫」の症状が現れる。酒量の多い人は、定期的に肝機能の検査を受け、早めにチェックしておくことが大切だ。
解消・予防のためのアドバイス
アルコールは肝臓や心臓に悪いだけでなく、抗酸化物質であるビタミンCやビタミンE、セレンなどを破壊したり、これらが体内で利用されるのを妨げる。逆に、これらの抗酸化物質を摂取することは、アルコール性の肝障害予防に役立つ。また、アルコールが代謝されるときにはビタミンAも一緒に胆汁に排出されてしまうので、この補給も必要だ。ただし、すでに肝障害のある人は、ビタミンAやセレンを大量に摂取すると害になる場合もあるので、摂取量の上限を守ること。ビタミンB1の利用と吸収もアルコールによって妨げられる。脳神経障害を起こさないためにB1の補給を心がけたい。肝臓の解毒機能を高めるウコンの利用も役立つ。また、酒ばかり飲んで十分な食事を摂らない人は、必要な栄養素が不足しがち。酒量を抑えるとともに、タンパク質やビタミンを十分に含んだ、バランスのよい食生活を心がけたい。(福田、鹿島田)